ジェットの原石は、はるか1億8,000万年前にさかのぼるジュラ紀の流木の化石です。紀元前から魔除けとして身につけられおり、人類最古の宝石のひとつだといわれています。
15世紀頃から、ジェットは「モーニングジュエリー（服喪用装身具）」として用いられるようになりました。そして19世紀後半、英国のヴィクトリア女王が最愛の夫アルバート公を亡くし、喪に服している間にジェットの装身具を身につけていたことから、ジェットはヨーロッパで大流行。しかし、1887年の喪服の緩和令や大量生産された安価な模造品の出現により需要が減り、ジェットの原石が採れる鉱山も相次いで閉鎖されていきました。それ以降、ジェットはもはや入手できない“幻の宝石”となっていたのです。
近年、こうしたジェットが100年の時を経て「ヴィクトリアンジェット」として日本に甦りました。そのきっかけは、中国で良質なジェットの原石が発見されたこと。この中国産ジェットは、古来良質な原石を産出することで有名だった「ヨークシャー産ジェット」とほぼ同質だといわれています。
新たに発見されたジェットを用い、ヴィクトリア期の製品を手本にしながら最新鋭のマシーンで仕上げたのがヴィクトリアンジェットです。その精度の高さ、作品としての完成度の高さ、商品管理の厳しさは、今後も他の追随を許さないものと自負しております。
ジェットの特徴は、気品に満ちた“漆黒の輝き”だけではありません。実際に身につけていただければ、驚くほどの“軽さ”と、有機素材ならではの“ぬくもり”も感じていただけるでしょう。10ミリ玉42センチのネックレスで、その重さはわずか28グラム。同じ黒い宝石のオキニスと比べて、ジェットは半分の重さしかありません。
英国王室に由来する正式なモーニングジュエリーとして、21世紀を生きる日本の女性たちに選ばれるファッションジュエリーとして――。アンティークデザインだけでなく、オリジナルデザインについても積極的に採り入れながら、ヴィクトリアンジェットは今後も進化し続けていきます。
ヴィクトリアンジェットとして製品化できる原石は、採掘される原石のわずか数％。原石のうち、良質な部分のみを厳選して使用しています。また、ジェットの硬度は2.5〜4（ダイヤモンドは10）とやわらかく、加工がとても困難です。ヴィクトリアンジェットの加工には、日本で独自に開発した最新鋭のマシーンが使用されています。
有機素材ならではの“ぬくもり”を持つ素材に、多彩なデザインを施すヴィクトリアンジェット。その美しさは、優れた加工技術に支えられているのです。
ジェットは、とてもデリケートな素材です。少し疎かな扱いをしただけでもキズがついてしまうため、取り扱いにおいて細心の注意を払わなければなりません。そのため、ヴィクトリアンジェットの製造現場では、研磨・穴あけなどの各製造工程における商品チェックを徹底。肉眼では見えない細かなキズを見つけ、不良品を取り除けるよう、4〜8倍の拡大鏡を使って検査しています。こうした取り組みは「製品不良率0.0025％」という数字に表れており、お客様からの信頼にもつながっているのです。
希少なジェットの原石を用いて製作されるヴィクトリアンジェットは、英国の宝石鑑別機関と日本のすべての宝石鑑別機関で“正式なジェット”として認められています。
また、身につけた際に冷たさを感じさせないのがジェットの特徴です。こうしたジェットのつけ心地の良さと漆黒の風合いを損なわないよう、ヴィクトリアンジェットのネックレスの留め具には金属を使わず水牛の角を使用し、「V JET」の刻印を入れています。
※一部入らない金具があります。
ヴィクトリアンジェットの品質と加工技術は、英国のジェット研究家ピーター・ヒル氏にも認められています。お買い上げ後1年の無料修理をお約束する「品質保証カード」には、同氏の推薦文も添えられています。
